労働時間と健康は、基本的に本人の責任で管理することが望ましい。本業の会社側は、副業を持つ社員を管理したがるかもしれないが、先のメリットを見ると分かるように、副業は本人が自分自身のために行うものだし、そのメリットの中には会社からの精神的自立が含まれるのだから、原則は本人の管理であるべきだろう。本業の会社側における労務管理の責任は「本業の収入が急に減って、副業が不可欠になったことによる過労が立証された場合」くらいに限定されるべきだろう。この点は、「副業の自由」にとって重要なポイントだ。

 また、一つの仕事に集中することと、複数の仕事に努力や精神的エネルギーが分散することとの間にはトレードオフがある。「一つの仕事(※副業の方である場合もある)に集中する方が、(稼ぎ等の)効率が良かったのに」と後で悔やむ可能性があることは、筆者の経験からも付記しておく。ただし、この問題も、本業の会社などではなく、本人が考え、責任を持つべき問題だろう。

副業の普及促進に向けて
3つの提言

 前述のように、現在の「副業」の状況が、「1980年代後半の転職」くらいにあるとしよう。だとすると、転職が普及してイメージが一新されたのは1990年代後半くらいのことだったから、本格的な副業普及には向こう10年くらい掛かるのかもしれない。

 そこで副業の普及促進に向けて、三つほど提言したい。

 まず、何はともあれ、多くの人に、「副業をやってみる!」ということを勧めたい。多くの場合、悪くない気分のものだと申し上げておく。