企業トップとして世界最高の報酬を受け取っているのは、英ギャンブルサイトを立ち上げたほとんど無名の起業家のようだ。米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーのロバート・アイガー会長兼最高経営責任者(CEO)でも米金融大手JPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモン会長兼CEOでもない。デニース・コーテス氏の20年前の一大ばくちは素晴らしいもうけを生み、2019年3月までの1年で自らに2億7700万英ポンド(約397億円)の給料を払うことができた。これは米国のCEOが受け取った最高報酬をもはるかに超えている。コーテス氏は2000年、わずか十数人の従業員と共にブックメーカー「Bet365」を創業。その直後にIT(情報技術)バブルが崩壊し、前途多難なスタートとなった。だが今週当局へ提出された資料によると、同社はその後、年商31億ポンドの事業へと成長を遂げた。