つまり、BtoCの観点から両社のプラットフォームを比較すると、たとえて言えばアマゾンは地域で最も大きく資金力も豊富なデパート、楽天はその地域で頑張っているけれど個々の店ごとに独立採算をとる駅前商店街、というような感じになるかと思います。

 そう考えると、BtoBの部分に規制を導入するならば、それに止まらずBtoCの観点も加え、かつての大店法を巡る議論と同様にプラットフォーマーをひとくくりにしないで、ネット上のデパートと商店街の間の公正競争をどう確保するかといった観点からの規制を検討することも、必要だったのではないでしょうか。

 そういった部分はすべて捨象してBtoBの部分だけを規制するならば、この法案は過剰規制や二重行政には前向きだけれど、GAFAに対抗できる日本企業の育成・強化といった産業政策的な視点や戦略性が欠如していると、評価せざるを得ません。

握り潰された
森ゆうこ議員懲罰の請願

 もちろん、実際の法律案の国会提出は来年の春になると思いますので、まだ時間の余裕はあります。法案の目指す方向性は正しいのですから、政府の検討内容がダメならば与党プロセスでしっかりと監視してもらい、変な役所の焼け太りなどを排除した、しっかりとした法案に仕上がるのを期待しましょう。

 ちなみに、最後にご報告を1つ。前回の連載で説明した参議院に対する森ゆうこ議員懲罰の請願ですが、結論としては、参議院の議運委理事会で握り潰され、本会議に上程されることもありませんでした。ちなみに、理事会では維新の会のみが賛成、それ以外の与野党はすべて“保留”、つまり事実上反対しました。

 これで、国会議員の一般人に対する人権侵害について、国会は一般人を何も守ってくれないということがはっきりしました。したがって、次のアクションに移らざるを得ません。その内容については、またどこかの機会にお知らせします。

 今年も1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)