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米国のGAFAと呼ばれる4社=グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルは、日本でも多くの人にとって身近な企業です。GAFAの製品・サービスがない生活は考えられない、という人もいるでしょう。しかし世界各国の政府は近年、この4社に厳しい目を向けています。論点は「競争政策」です。(経営共創基盤取締役マネージングディレクター 塩野 誠)

制裁金総額は1兆円
EU「グーグル嫌い」の深層

 競争政策とは、事業環境において公正かつ自由な競争が行われることによって、消費者が欲しいサービス・商品を自由に購入できるように市場メカニズムを整備することです。事業者は日々の改善やイノベーションによって他社と競争し、消費者により良いサービス・商品を提供して売り上げを伸ばそうと努力し、結果として消費者の利益となります。この公正かつ自由な競争環境は、企業の独占や寡占によって妨げられることがあります。これを規制するのが、日本の独占禁止法や米国の反トラスト法です。なお、米国の反トラスト法は幾つかの法律の総称です。

 一方、デジタルテクノロジーを基盤とするGAFAのような巨大プラットフォーマーは、一定の事業規模を確立した後は、製造業などに比べて非常に低いコストで顧客を拡大し続けることが可能です。また顧客の増加自体がサービスの利便性を高める「ネットワークの外部性」もあります。さらに顧客のプロフィルや取引データを蓄積することで、サービス・商品の最適化や新たなイノベーションを起こし、競合他社より優位に立ちます。

 こうして勝者総取り状態になった巨大プラットフォーマーが、独占や寡占といった市場支配をした場合、新規参入を阻んだり、不当な価格設定を行ったりするという恐れがあります。これでは公正な取引環境、健全な市場メカニズムがなくなると各国政府は考えているのです。