前職では秘書がいた人でも、転職先ではいないかもしれません。いたとしてもゼロから、場合によってはマイナスからのスタートとなるので、スムーズにコミュニケーションが取れるようになるまでには時間が必要でしょう。チームメンバーや取引先に対しても同様です。信頼残高がゼロの状態からの出発ですから、同じことをするにも前職にいたときより1.5倍、あるいは2倍のパワーが必要です。

 今まで1カ月でできていた仕事が2カ月、ひどいと3カ月かかる環境であると考えて、本当にダッシュする勢いで仕事に取り組まなければ十分な成果を出せません。

信頼残高をゼロから積み上げる
誰でもできる方法とは?

 そうしたまったく新しい環境で、信頼残高をゼロの状態から積み上げていこうとするとき、誰にでもできる有効な方法があります。それは周囲とコミュニケーションをとる際、レスポンスを素早くすることです。

 メールやチャットのレスポンスが速い、電話の折り返しが速い――。これはどこの会社に行っても、誰でもどんな立場でもできる努力です。本当にささいなことではありますが、コミュニケーションのスピードが速いと相手の待ち時間が減り、信頼されやすくなります。スピードは誠意の表れであると意識しておくとよいでしょう。

 その上で成果を出し、信頼残高を積み上げて、最終的には一緒に仕事をする人たちを自分のファンにできれば最高です。
 
 こういう人が転職した会社でスピード出世を遂げ、早い人は入社後1年で役員に就任することもあります。では、どうすれば周囲の人たちを自分のファンにできるのか。このテーマについては話が長くなるので、また改めて取り上げることにします。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)