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多くの職場で見かける偉そうな態度の社員。それが上司ならまだしも、同僚であれば、職場におけるストレスの原因にもなりかねない。こうした問題社員たちにどう対処すればいいのか。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)
どんな職場にも、いろんなタイプの「常人の理解を絶する人」がいるものだが、中でも多くの人をいら立たせるのが、何かにつけて偉そうな態度を取る人だ。やたらと偉そうな態度を取る上司もうっとうしいが、この手のタイプは対等な立場の同僚に対しても偉そうな態度を取るから厄介なのだ。
こうした社員は、身近にいるだけで絶えずイライラさせられ、仕事のモチベーションが下がる。さらに、そんな人物が上司から高く評価されたりすると、部署全体のモチベーションが絶望的なまでに下がってしまう。そうした事態を避けるためにも、問題となる社員をしっかりと見抜き、その心理メカニズムを踏まえた対処が必要となる。
まるで上司のように
偉そうに振る舞う同僚
「偉そうにこっちに指示したり、進行状況を確認したりしてくるんですよ。それが上司ならわかります。でも、同期入社だし、まったく対等な立場なんですよ。どういう神経してるのか。もう最近は、話しかけられるだけでもいらついてきます」
偉そうな態度を取る同僚にいつもイライラさせられるという30代男性のAさんは、その同僚Bさんとの間で起こった最近の出来事について語り始めた。
「ある取引先との会議で、ウチの会社が売り込んでいるサービスの追加資料が欲しいとの要望がありました。会議後、Bさんが私に向かって、『さっきの会議で話題に出た追加資料の件、早速取りまとめてくれるかな。今日中に頼むよ。僕が明日、先方を訪ねて状況報告をしてくるから』と偉そうに言ってくるんです。“なんであんたが仕事の仕分けをしてこっちに命じてくるんだよ”って、ほんとにムカつきます」