中国はこの10年ですっかり大国になり、世界の秩序を揺るがしてきた。中国の台頭は以前から予想されていたにもかかわらず反発を招いている。2010年代の初め、中国の存在感は主に経済力に表れていた。中国経済はすさまじい勢いで拡大し、日本を追い抜いて世界2位の規模となった。中国企業は国外進出を開始し、資源と市場を確保するとともに、国内で拡大する中間所得層の自動車・旅行・ぜいたく品への需要に応えるようになった。高速鉄道網などの国内の野心的な開発プロジェクトは、未来の大国を象徴しているように見えた。2010年代序盤に指導部の世代交代で習近平国家主席が権力を握ってからは、中国は国際情勢に関わる消極的姿勢を捨て去り、以前よりずっと大国らしく振る舞い始めた。国外初の軍事拠点を設け、国連平和維持軍に戦闘部隊を派遣し、世界各地で港湾や道路などのインフラ建設計画を推進。これらを含む多様なプロジェクトの資金を調達するために新たな開発銀行を創設した。習氏の野望は共産党の計画にも見て取れる。米国を追い抜き、中国の利益に資する新しい世界秩序において中心的役割を奪い取ることを目指しているのだ。
中国の2010年代、勢力拡大と強まる反発
攻めの習近平路線に抵抗する米国
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