チリ最北部の砂漠地帯、アリカにあるウォルマートの店舗は例年であれば、ホリデーシーズン向けのおもちゃや食品を買い求める客でにぎわっているはずだった。しかし、今週同店を訪れた際に目にしたのは、焼け焦げてねじ曲がった鉄骨や砕けたコンクリートなど、全国に広がった反政府暴動を物語る残骸だけだった。こうした暴動は、中南米で最も繁栄していた国の1つだったチリに、過去10年で最も深刻な経済の縮小をもたらした。近隣事業者の商売を支えていた同店舗は、2カ月間にわたった大規模抗議行動に絡んだ破壊や略奪行為の被害を受けた。この光景を目にしたセサル・マルチネス氏は「まるで戦場のようだ。30日前には、ここでパンが売られていた。狂気の沙汰だ」と語った。同氏の会社は、11月に略奪と放火の被害を受けたこの店の残骸処理を請け負っている。事件では死者も1人出た。