私たち根底は似ているけど
仕上がりは全然違う!

黒田 私たちくらいの年齢になると、自分のことは自分が一番よくわかっている。私といく子ちゃん、タイプは違うけれど、ファッションに対する考え方はとってもよく似ているような気がします。いく子ちゃんのプライベートスタイルはロックっぽいけれど、どこかベースに上品なものが流れているような気がするんですが。
 
地曳 母がファッションに関しては厳しい人で、子どもの頃は母が選んだ洋服しか着させてもらえなかったこともあって、コンサバのベースがあるからかもしれません。
「洋服はサイズが命」と子どもに真剣に諭したり、「黒はダメ。賢く見えるから紺を着なさい」と言ったりするようなきっぱりした女性でした。その反動か、今は黒が一番好きですけどね(笑)。あとは、アイビーやコンチネンタルなど、若い頃洗礼を受けたトラッドファッションや、大好きなロックカルチャーの影響もかなり強いと思います。ということで、私の今のスタイルは、コンサバ、トラッド、ロック、この3つのテイストがベースで成り立っているんじゃないかな、って自分では分析しているんですよ。チコさんは、逆に、進化しているのにいつも印象が変わらないイメージがあります。

新時代の60歳<br />大人のおしゃれと暮らしその時々でコンサバ・トラッド・ロック3つのテイストをミックスする地曳さんのスタイル

黒田 自分ではわからないんですが、先日、「究極のワンパターンだね」って言われたの。たしかに、夏でも冬でもワンピースは好きだし、ちょっと形の変わったパンツはいつも探してる。冬ならトップスはほとんどニットだし、フリッとしたブラウスにも目がない。バッグや靴は気に入ったものを頻繁に登場させるタイプだし。あ、やっぱり私、パターン決まってますね(笑)。

新時代の60歳<br />大人のおしゃれと暮らし黒田さんがよく着るニット、ブラウス、サイズ型違いで所有するバッグたち

地曳 ワンパターン、最高じゃないですか! チコさんの場合は、きちんとアップデートしている進行形のワンパターンだから、ずっと新鮮で素敵なんだと思いますよ。トレンドも追っていないようでしっかり取り込んでいるし。そのあたりの本能的な嗅覚がお見事ですね。

黒田 それなりにその時の自分の状況に応じて変化はしているんですよ。ただ、娘も社会人になり、人生で初めての一人暮らしも経験して、今が一番自由で今が一番気楽。そんな環境がファッションにも表れているのかなとは思います。人からこう思われたいとか、もう○歳だからこうしなきゃ、っていうのが減ってきて、自分が着たい服を着たいように着られる今の状況は、自分でもかなり気に入っています。

地曳 心意気は似ているけれど、体型も表現方法も違う私たち。『おしゃれ自由宣言』で、私たちの今現在のファッションと暮らしに関する「好きなもの」を、あらためて整理できたのは、とても面白いと思いました。どんな共通点や、差が出ているのか、ぜひチェックしてみてくださいね。