豪州では児童ポルノの輸入で有罪になると最長で懲役10年、罰金52万5000ドル(約3900万円)の罰金が科せられる。

 一方、日本ではどうか。海外からの輸入であれば、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金とある。処罰に大きな差がある。

 さらに最近の事例を考えてみると、青森県で今年10月におきた児童買春・児童ポルノ事件では、自衛官が12歳の小学生に対するわいせつ行為を撮影して逮捕されたが、その判決は罰金30万円にすぎない。驚くべきことだが、これが日本の現状である。

 日本では、公務員や著名人でないと報道発表等で被害者の名前は公開されない。例えば、米国では性犯罪の前歴者を情報開示する「メーガン法」があるが、日本には同様の制度はない。

 それゆえ、子どもへの性犯罪を行い、有罪となった人物でも、時には会社も家族も知らずにやり過ごすことができる。さらに子どもに近づき罪を繰り返すことができるのだ。

 繰り返すが、今回の恩赦の対象となれば、そうした前歴のある医師や看護師でも、再び子どもに関わるような仕事に戻ることもできる。

 日本のように、子どもへの性犯罪者への対応が甘く、金銭的・社会的な制裁も軽いと、犯罪行動を止めるインセンティブにはならないのではないか。性犯罪者の治療・更生プログラムも、法務省の中ではじまっているが、重篤な犯罪を繰り返す受刑者に限定されていると聞く。性犯罪者の治療や加害者更生プログラムを義務化し、社会復帰を助けるところまで、本来ならすべきだと考える。

 今回のようなあらゆる法令違反で罰金刑を受けた者への一律の復権令、および特別恩赦という決定には強く異議を唱えたい。さらには、次の恩赦の際には、被害者の心情を反映し、受刑者の本当の意味での社会復帰に配慮したものにすべきだろう。