ネット通販の世界では、小売業者が常に勝つとは限らない。オンライン小売業者は消費者にもっとカネを使わせようと、さまざまなマーケティング戦略を繰り出して成功を収めているが、システムを出し抜く抜け目ない消費者もいる。プリンストン大学とシカゴ大学の研究者が9月に発表した報告書によると、見せかけの値引きを表示したり在庫数量を操作することで顧客の消費行動を変えさせる「ダークパターン」と呼ばれる手法を導入している買い物サイトが11%に上った。販促メールに登録した顧客に値引きを提供したり、ブラウザーを閉じようとすると無料配送で誘惑したりする手法も多く使われている。テッド・ハーバティン氏(63)は食材宅配サイトで追加値引きをせしめたことがある。欲しい商品を買い物かごに入れた後、そのまま放置するのだ。
値引き演出するネット通販、消費者との知恵比べ
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