リウマチ科に行くべきか
ペインクリニックに行くべきか

 頑張り屋の祥子さんは、夢をあきらめなかった。

 その後はステロイドを徐々に減らし、骨粗しょう症の治療をしながら、運動療法によって筋肉をつけ、大学病院の栄養士に教えてもらって食事療法も行った。くじけそうになったときは、心理療法士のカウンセリングも受けた。根気のいる治療だったが、2年かけて体はすっかり回復し、保育士に復職することができた。

 最初に痛みが出てから、実に4年の歳月が過ぎていた。線維筋痛症は難病で、なかには何年たっても治らない人もいるので、まだましなほうなのかもしれないが、大学病院の医師は言う。

「線維筋痛症は、リウマチの先生を受診する患者さんが多いようですが、私はお勧めしません。慢性痛治療の専門医からなる国際疼痛(とうつう)学会の元会長は以前、次のように言っていました。『最近、リウマチに生物学的製剤といういい薬ができたせいでリウマチ科の先生たちは本来のリウマチの患者さんを治すのに忙しくなり、線維筋痛症の患者を診られなくなりました。お陰で線維筋痛症の患者さんも、よくなるようになりました』と。日本はまだそこまで行っていませんが。

 線維筋痛症は慢性痛の専門医が診るべきです。でも、そういう医師は圧倒的に少ない。関西方面の患者さんは、よい心療内科が多いので、そちらへかかることをお勧めします。関東方面の患者さんは、慢性痛に強いペインクリニックをなんとか見つけてください」

 そう言われても、患者としては、リウマチ科とペインクリニックと心療内科、どこを頼ったらいいのかなんて分からない。リウマチ科はダメと決めつけるわけにもいかない。そこは医師間できっちり交通整理して、何が正解かを決めてもらわないと困る。

 ちなみに、「かかってはいけない」のは、次のような医師だという。

「話を聞かない人、患部を診ない・触らない人は論外。問診の際、どういう状況のとき痛むかを聞かない人、副作用をしっかりと説明しない人、運動療法を処方しない人、精神心理社会的要素を考慮しない人もアウトです。

 あとは、薬を処方する前と後で、血液検査をしない人。薬には必ず副作用がありますから、血液検査は絶対に行うべきです。

 それから、鑑別診断をしないのもありえないですが、実際診療していると、われわれにとっては当たり前のようなこれらの手順をまったく踏まない先生方は1~2割はいます」

(医療ジャーナリスト 木原洋美)