転職でスキルや知識より重要な
フィロソフィーへの共感力
この連載で前回、スピード出世する転職者は一緒に仕事をした人たちをファンにすると指摘しました。ファンにするということをわかりやすく表現すれば、トップも含め、周囲の人たちから「ぜひこの人と仕事をしたい」と思われることです。
「〇〇さんと一緒に仕事をすると、いろいろなことが学べる」「非常に頼りがいがあってどんな場面でも心強い」というように、自身が重宝されたり頼られたりする存在になると、ファンが増えていきます。もちろんそこでは高度なスキルや知識が必要ですが、それだけでは十分ではありません。そして最近、この「スキル以外の要素が重要である」という傾向がどんどん強まっていると感じています。
いったいどういうことか。
成功を収めているベンチャー企業のトップと話をすると、「スキルや能力重視の採用をし過ぎた結果、カルチャーフィットしない人を採用してしまい、社内が混乱したり、辞めてもらうのに大変苦労したりした」という経験を持っている人がたくさんいます。
そして「少々スキルや知識が不足していても、最終的には人間力だよね」「やはりその人の在り方が大事ですね」といった採用観に落ち着いていきます。この人間力とは何か、人の在り方とは何かというところが非常に難しいのですが、その概念の中には、「どんなフィロソフィーの持ち主」か、あるいは「どんなフィロソフィーに共感するのか」が含まれていると思います。