元気に働ける会社と
違和感の多い会社にある差とは

 ビジネスで「実現したい世界観」などと言い出すと、「何を青くさいことを」と思われるかもしれません。しかし「市場や世の中をこんなふうにしたい」と世界観を持ち、そこに向かって同じ価値観を共有する組織で働く人たちは何の迷いもなく地に足をつけて仕事ができ、非常に健全です。健全だからみんな元気に仕事ができます。こんな良いことはありません。

 逆に、実現したい世界観のない組織では、多くの人が違和感を抱えることになります。もちろん企業経営において利益の追求は欠かせませんが、自社の利益だけを追いかけて顧客や市場、ひいては社会の利益と相反するような振る舞いを行っている組織の中で働いていると、地に足が付かない感覚があると思います。

 怖いのはそうした組織の中にいる限り、違和感の正体をなかなか自覚できないことです。最近大きな不祥事が発覚した企業で働いた経験のある起業家は、「サラリーマン時代はずっともやもやした違和感があったのですが、自分の会社をつくりお客様に対しこんな貢献をしたいと明確にし、それがいろいろな人の共感を得たとき、非常にすっきりしました。お客様に迷惑をかけることなく、真っ当に仕事ができるようになったからです」と語っていました。

 実現したい世界観が欠けたまま「どうすればもうかるか」だけを考えてきた企業は今後、世の中の潮流から取り残されていく可能性が高いです。それが大きな企業であればあるほど、社会との摩擦の増加という形でリスクが顕在化していくでしょう。

 これからはしっかりしたフィロソフィーや実現したい世界観を持ち、それにひもづいた行動をしていくことが企業にとっても個人にとっても重要になります。したがって一年が始まるこの時期に、自分と会社のフィロソフィーや実現したい世界観に考えを巡らせ、きちんと言語化する、すでに明確なものがあるなら、これでよいかと再確認し、場合によってはアップデートしてみることをお勧めします。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)