かつて日産自動車とルノーを率いていたカルロス・ゴーンは過去20年間にわたって何をしていたのか。彼がいなくなってから1年たって両社はようやく理解した。ゴーンは2社のつなぎ目が裂けてしまうのを防いでいたのだ。両社内部の関係者によると、2018年11月のゴーン逮捕以降、重しとなるリーダーを失った両社は不快で野蛮な自然状態に戻ってしまった。ルノーは日産との連携を確実にする経営統合を目指し、ゴーン逮捕後はほんの一時期だが買収さえも検討した。日産はルノーが保有する日産株の一部売却について交渉しようとした。両社関係者らによると、技術者たちは自動車の設計に関する協力を避けようと画策した。こうした不和は両社の存続を脅かしている。ゴーン逮捕以降、両社の株価は約3割下落した。今年1-11月の自動車販売台数は前年同期比で計50万台以上減少した。今年上半期の自動車販売は共に赤字となった。
ゴーンなき日産・ルノー連合、深まる亀裂
前トップ逮捕から1年、両社は対立し協力は進まなかった
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