展開としては、前半に株価が高く、東京オリンピック・パラリンピックが終わる前後から下落傾向をたどるような、前半高・後半安を予想する向きが多い。2020年末の予想の最高値は2万7000円、最安値は2万1000円である。

 この種の予想は、「近い数字を当てる」目的なら、現在の株価、あるいは平均的な期待リターン(機関投資家の平均は年率5%くらいか)で現在の株価を延長したものを答えておくのがいいとされている。

 しかし、予想の回答に求められるのは、近い数字を当てることよりも、予想に込められたメッセージの中に何らかの「情報」や「見解」が含まれていることだろう。

 では、8氏の中で筆者の予想に一番近いイメージなのはどれかというと、年末に2万7000円を予想されているマネックス証券チース・ストラテジストの広木隆氏の予想だ。結論となる株価だけを論じるなら、これが一番近い。

2020年のマーケットは
「次のバブル」をつくる過程にある

 詳しくは特集記事を見てほしいが、広木氏は「予測のコメント」として、世界景気の底打ちと、企業業績の回復を挙げておられる。

 一方、筆者の予想に一番近いのが最も強気の2万7000円である理由は、米国の株式市場を中心に、資本市場が「次のバブル」をつくる金融的なプロセスにあると思っているからだ。東京五輪やインバウンド需要、景気といったファクターはほとんど見ていない。予測可能な情報の多くはおおよそ現在の株価に反映されていて、これらのいずれかに関して、特別な指摘があるわけではないからだ。

 さて、おおもとの問題として、短期的に日本の株価を決めているのは主に米国の株価であり、次いで為替レートであることを確認しておこう。国内の景気のように、われわれの生活に深く関係する重要な要素が目下のところ、日本の株価に対して大きな影響力を持っていないのは意外だ。しかし、世界の運用資金の連動性が高まったことに加え、日本市場のウェイトと独自性が薄まったことで、日本株は少々前の新興国市場のような価格形成になっている。日本の株式市場に関わる者としては少々面白くないが、当面の理解としては、まずこの事実を受け入れる必要がある。