カルロス・ゴーンPhoto:Reuters

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告は、音響機器の運搬に使う大型の黒いケースの中に隠れてプライベートジェット機まで運ばれ、米警備員とみられる男性2人に付き添われて日本を脱出した。逃亡を巡るトルコ当局の捜査に詳しい複数の関係者が明らかにした。

 ジェット機は29日に大阪近郊の空港を離陸し、30日午前にトルコ・イスタンブールに到着した。ゴーン被告は強い雨の中を90メートルほど車で移動し、小型ジェット機に乗り継いで同日中にレバノンに到着した。関係者によれば、トルコの航空会社MNGジェットがこの黒い箱を発見した。別の箱にはスピーカーが入っていたという。

 MNGは今週に入り、従業員がゴーン被告の名を残さないように記録を改ざんしたとして刑事訴訟を提起した。関係者によれば、この従業員は、黒い箱の1つが被告をジェット機に運ぶのに使われたと捜査官に説明した。

 このMNG従業員の弁護士はコメントを避けた。ゴーン被告の広報担当者は日本からの脱出方法についてのコメントを断った。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)記者は黒い箱が置かれたジェット機のキャビンの写真を確認した。箱は、角が金属で補強され、機体後方の中央通路に押し込まれていた。

 トルコ当局の捜査に近い筋によれば、マイケル・テイラー、ジョージ・アントワーヌ・ザイエクという氏名の米国旅券をそれぞれ提示した2人だけが、関西国際空港からイスタンブールに飛んだ同機の飛行計画書に記載された乗客だった。

 この2人はその後、イスタンブールの新空港から民間航空便でベイルートに飛んだ。その際にトルコの入出国手続きを済ませた。関係者らによれば、トルコの捜査官らは日本とトルコの出国スタンプが入った両氏のパスポートの写しを入手した。

 マイケル・L・テイラーという米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)出身者は、2009年にタリバンの捕虜になっていた記者を救出したことで、民間警備業界では知られた存在だ。またジョージ・ザイエクという人物は、就職ネットワーキングサイトのプロフィールによればテイラー氏の所有する会社や同氏とつながりのある企業の警備員として雇われたことがある。

(The Wall Street Journal/David Gauthier-Villars, Mark Maremont and Sean McLain)