かつて日産自動車ナンバーツーのCOO(最高執行責任者)の地位にあった志賀俊之氏は、カルロス・ゴーン・元日産会長の右腕だった人物としても知られる。昨年11月のゴーン氏逮捕以降、沈黙を貫いてきた志賀氏が、初めてダイヤモンド編集部のインタビューに応じた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)
アライアンス精神の風化
──6月に日産自動車の取締役を退任しました。現在の心境は?
「敗軍の将は兵を語らず」といわれますけれど、日産を出て行った人間が、現在の日産の経営についてとやかく言うことは、仕事をしている日産従業員に対して失礼にあたると思っています。
また、ゴーン(カルロス・ゴーン元会長)さんの問題について語るにも、もう少し時間が必要です。臨時株主総会でもお話ししましたが、私自身が経営責任を免れるわけではないですし。それでも、1999年に仏ルノーとアライアンスを組んだ頃のお話をしておくべきだと思いました。
というのも、日産とルノーが提携したときに確認した「アライアンスの精神」が風化しているのではないかと強い危機感を持っているからです。