加えて、何よりも、「毎月8万3000円」で対象者の行動がどう変わったのかについて、どのようにデータを収集するかが大変だ。

「増えたお金を、過去3カ月にどう使ったのか、自由に書いてください」といったアンケートでは、データとして正確でないし、後の処理も大変だ。例えば、何らかのオンライン家計簿ソフトのようなものを利用してもらうことを受給者に条件付けて、データを収集するといいかもしれない。せめて、その程度の方策を講じないと有益なデータは集まらないのではないか。だが、当選者全員に家計簿ソフトを使わせる手間がまた大変だろう。

 また、できれば、支給の前後の経済行動も調べたい。この点に関する協力を要請したいところでもあろうが、これも手間が掛かる。

 加えて、データをどのように分析して、単なる「お年玉」を「社会実験」と呼べるものにするのか、まとめ方や実験成果の活かし方も考えないといけないだろう。誰がどのようにやるのだろうか。

 前澤氏は、動画の中で、専門家の協力を仰ぎたいという趣旨のことを述べておられた。だとすると、事前にリサーチデザインがないのだろうから、上記のあれこれをこれから考えなければならないわけで、「お年玉」の後始末は、文字通り「大変」なのではないだろうか。他人事ながら心配だ。