「ちょっと身体を絞って、肉を食べないようにしています。肉を食べるとどうしてもご飯をたくさん食べてしまい、どんどん、どんどん大きくなってしまうので。31歳になって魚だけに絞って、1年間やっていきたいと思っています」

 松島が悪戯っぽく挑発した肉体改造がまさに食事改革であり、着手して間もないからこそ、リーチも「チームとして試合に勝ったので、別に何を言われてもいいですよ」と笑顔で返した。今後は開幕戦時点の109キロをキープするべく、食事内容を含めた肉体改造を継続していく。

日本代表では不動のキャプテン
東芝では「堀江翔太の役」に徹する

 2023年にフランスで開催される次回のワールドカップへ向けて続投が決まった、ジョゼフ・ヘッドコーチに率いられる日本代表への挑戦も、もちろん継続させていく。ただ、過去の実績や名声などは関係ないとリーチ自身が誰よりも強く理解している。同時に日の丸を介して育まれた強く、太い絆を大切にしていきたいと願うからこそ、リーチは3年後へ向けてこんなテーマを掲げている。

「過去のことは忘れずにゼロからスタートして、もう一回アピールしていきたい。自分のプレースタイルも含めてもう一度、ゼロから作りあげてく。自分のよさも弱さもそれぞれ強くしながら、シーズンを戦っていきたい」

 本来ならば過去のことは「忘れて」となる中で、あえて「忘れずに」と位置づけた点に、心から愛するラグビーを過去から今現在、そして未来へと紡いでいくリーチの熱き思いが凝縮されている。

 代表では不動のキャプテンを担ってきたが、今シーズンの東芝では共同キャプテン、スクラムハーフの小川高廣と日本代表フランカーの徳永祥尭を支える立場に回る。

「まずはキャプテンのサポートに徹していきたい。キャプテンがやりたいことをそのまま実践することが一番重要なので。僕が代表でキャプテンを務めていたときに、堀江さんのような重要な人間がいて、すごく頼りになった。代表でいう堀江さんの役を、東芝でやらなきゃいけないと思います」

 リーチの言う「堀江さん」とは、パナソニックワイルドナイツでプレーする、ドレッドヘアのフッカー堀江翔太。過去に優勝5回を誇る名門ながら、昨シーズンは11位に甘んじた東芝を復活させていく過程で、新生日本代表への招集もあると考えているのだろう。サントリー戦の自己採点を、10点満点で「4」と厳しい数字をつけたリーチは、こんな言葉を残すことも忘れなかった。

「来週の試合へ向けて、もっとボールタッチ数が増えるように頑張っていきたい」

 ボールタッチ数や前へと突進する機会が増えれば、その分だけ「リーーーーーーーーーーチ!」が響き渡る場面も多くなる。自分たちの手で手繰り寄せた一大ブームを文化へと昇華させ、日本スポーツ界に定着させる大役をも担いながら、重低音の熱いコールを前へと進む糧に変えてリーチは戦い続ける。