「日本開催なんて誰も知らない」
から一転、熱狂のラグビーW杯
開幕直前までは「オリンピックと違って、日本で開催されるなんて誰も知らない」とか、「本当に盛り上がるのか?」などと心配されていたラグビーW杯ですが、フタを開けてみたらそんな心配など杞憂に終わるほどの熱狂が始まりました。予選プールAで、番狂わせを含めた連勝を続ける日本代表の頼もしい姿に、日本中が興奮しています。
さて、このラグビーW杯ブームを目にして、経営戦略の専門家としては、「この現象はきちんと分析しなければいけないな」と思うのです。なぜなら、ある商品やサービスのブームを生み出すのは経営の永遠のテーマであり、なかなか難しいことなのです。
そこで今回は、前評判が芳しくなく、かつサッカーや野球に比べてマイナー競技だったラグビーが、なぜこれだけのブームを巻き起こすことができたのかを分析してみようと思います。
ブームが起きるケースには様々なパターンがあるのですが、今回のラグビーW杯ブームは、類似性についていえば、2011年、サッカー女子W杯で起きたなでしこジャパンブームと非常によく似た社会現象だと捉えることができます。そこで両者の類似点を考えると、次の3つの条件が整えば、このような大ブームが起きるのではないかと考えられます。
(1)そもそも知られていないだけであって、コンテンツとしてはものすごく潜在力がある。
(2)世界の壁と戦う日本代表の姿に、日本人の琴線に触れるものがある。
(3)自分が感情移入できるキャラクターを持ったスター選手が、必ず代表チームに存在する。