メッセージアプリのLINEでは誰でもオリジナルのスタンプを作ることができる。子どもがいる家庭では、わが子のオリジナルスタンプを作ることもあるようだが……?(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
妹からの“子スタンプ”
反応に困り葛藤する日々
先日、実家の家族LINEで妹が娘(筆者にとっての姪=めい)の写真を簡単に加工したオリジナルのスタンプを急に披露したのを見て驚いた。正確には引いた気持ちになった。
妹は「ホテルに行こう」とセクハラ行為をしたタクシー運転手の座席の背を蹴りつけて恫喝(どうかつ)したり、会社の女性陣が集う飲み会を“女子会”ならぬ“メス会”と公に称したりするほどの強面(こわもて)であったから、仕事で忙しくしている反動でやや子煩悩に傾いているのは知ってはいたものの、よもやわが愛(まな)娘をLINEスタンプにするなどという「ふわっ」とした行為とは無縁だと思っていたのである。
それがまさかであった。無断で使用したらしい夫のコスプレ写真を加工した洒落(しゃれ)のきいたスタンプが一つ、姪のものの中に交じっていて、唯一それが筆者の知る妹らしさを感じさせた。
筆者は姪と大変仲良しであって、当然非常にかわいく思っているのだが、この「子をLINEのスタンプにする行為」となるとまた別の話である。妹はわが子をネットに公開して特に抵抗を抱かない種類の人間であったろうか。