文在寅大統領の年頭会見で
南北交流事業の独自推進に言及

 文在寅大統領は、膠着状態の南北関係を打開するために「米朝対話を見守るだけではなく、南北でできることは最大限努力する必要がある」と述べ、南北協力事業を韓国独自の判断で再開する考えを明らかにした。

 2018年9月の南北首脳会談で、条件が整えば金剛山観光と開城工業団地を再開すると合意したにもかかわらず、韓国が米国の意向を受けて行動に移していないことに北朝鮮がしびれを切らし、昨年後半、北朝鮮による挑発行動が激化している状況から、独自の判断で再開するという判断をしたのだろう。

 文大統領は南北協力事業の例として、北朝鮮への経済制裁に抵触しない観光(注:米国の見解とは異なる)、東京オリンピックの共同入場と単一チーム構成、32年オリンピックの南北共同開催を例にあげ、「制裁に違反しない範囲内でやれることはいくらでもある。国連の例外的な承認が必要な場合には、それを得るため努力する」と述べた。

 文政権はこれまでも南北協力事業の推進、南北平和経済の実現に言及してきたが、今回の違いは、「国連での例外的承認」など事業推進に向けた具体的な対応を強く打ち出したことである。

 康京和外交部長官は20年1月14日、ポンぺオ国務長官との会談で、「朝米対話と南北対話が互いに、共に補い合い、善のプロセスを形成しながら進んでいくべきというのが我々の基本的な立場」としながらも、「ある特定の時点で朝米が先に進むこともあるし、南北が先に進むこともあると思う」と述べた。これは条件付きながら、「(米朝関係よりも)南北関係が優先されることもある」と、米国とは別の対北朝鮮政策を推進する可能性があることを外交部長官が初めて明言したと分析できる。

 これは文大統領が新年の辞で述べた「南北関係において動きの幅を広げなければならない」という考えを踏まえたものであり、その考えが具体化されていくことを暗示するものである。

 金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官も同日、「南北観光協力の可能性に注目している」と発言し、観光事業から始めていくことを示唆している。

 康外交部長官によれば、こうした事業の推進に当たり北朝鮮への制裁に抵触する可能性などさまざまな角度で議論したとしており、「米国側もわれわれのそのような意思や希望について十分に理解している」と述べた(以上、朝鮮日報より)。