国家安全保障会議で
南北協力を協議

 青瓦台(韓国大統領府)は20年1月16日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長主宰でNSC常任委員会を開催。「米朝の非核化交渉が実質的に進展するのに寄与する方向で南北協力を推進することや、朝鮮半島平和プロセスを活性化する方針」を議論したという。

 これは、康外交部長官が米国から帰国した直後に開かれた会合であり、康外交部長官とポンぺオ国務長官との会談を踏まえたものである。NSCの会合は文在寅政権全体として南北協力事業に取り組んでいく意思を確認したといえ、その具体的推進方策について議論したものと思われる。

 なお、米韓外相会談では中東ホルムズ海峡への韓国軍の派遣についても議論したというが、NSC後の報道資料には載っておらず、米国の期待に応えようとの韓国政府の意思は見られない。これは同じ革新政権であり、文在寅大統領の盟友だった故盧武鉉元大統領が米国の要請に応じてイラクに派兵したことと比べ対照的である。

 盧武鉉政権の時も韓国国内では、韓国軍のイラク派兵に対して、革新政権支持層の激しい反発があった。だが盧武鉉政権は北朝鮮の非核化交渉を巡って、「交渉を主張する韓国と、強硬な立場の米国との対立」を避けるために、米韓関係の維持という観点で政治的判断をした。

 しかし、文在寅政権は米国の意向に逆らって南北協力事業を進めようとする時に、米韓関係に対する配慮すら感じられないのは気がかりである。

 さらに同日、盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長は、CBSのラジオ番組で「金剛山観光や対北朝鮮個別訪問の場合、国連の北朝鮮に対する制裁に該当しない」として「いつでも履行することができるし、この部分を検討している」「南北関係の改善が米朝対話に役立つと思っている」と語った。

 加えて、「相当部分、制裁免除を受け、あるいは制裁免除の理由がある」「免除の理由がある部分についてはわれわれが積極的に免除交渉を行うつもり」と表明した。

 以上のようなNSCや大統領秘書室長の言動や動きは、米国がいかに反対しようとも南北融和へ邁進するのだという、文在寅大統領の意向が強く滲み出たものであることがうかがえる。