【北京】中国政府が外国との友好関係の構築と経済協力を掲げ、大陸横断のインフラ整備プログラム「一帯一路」に着手してから約7年がたったが、一部の外国企業はプロジェクトから除外されていると話す。
「一帯一路」は1兆ドル(約110兆1850億円)をかけた中国の外交政策の取り組みの1つ。だが参加に招かれた外国企業はごく少数にとどまり、多くの提携諸国と距離を保つ中国政府の姿勢によって経済協力というメッセージも損なわれている。在中国の欧州連合商工会議所(EUCC)は新たな調査でこう指摘した。この取り組みはインフラプロジェクトに重点を置いている。
「中国は資金や建物、機器のほか、労働力まで提供している。非常に閉ざされたシステムだ」と在中EUCCのイエルク・ブトケ会頭は述べた。
中国は「一帯一路」を主にインフラプロジェクトを通じてアジア、アフリカ、欧州、中東、中南米と経済的連携を深める手段の1つと位置づけている。そのため、米国が数十億ドルを投じて欧州復興を支援し、戦後の経済秩序の中心に立つきっかけとなった「マーシャル・プラン」になぞらえられている。
中国商務省によると、中国企業が「一帯一路」の一環として2019年1~11月に交わした契約は61カ国で6055件に上り、その総額は1276億7000万ドルと前年同期比で41.2%増加している。
しかし、「一帯一路」は資金に関する透明性の欠如や汚職の誘発、無駄な返済しきれない債務などが 批判を呼んでいる。中国の習近平国家主席は、その一部に対応し、自らの看板政策を修正するとともに、透明性や財政的な持続可能性の向上を表明している。