同じ中国でも、混乱に揺れる香港と治安が良く熱気溢れる上海とでは、イメージが全く違う(写真はイメージです) Photo:PIXTA

混乱が続く香港
台湾にも飛び火

 香港の混乱が止まらない。「逃亡犯条例」改正案への反対をきっかけとする抗議活動は続いており、中国建国70周年を迎える10月1日を前にした9月最後の週末にも、大規模デモが行われた。そして10月1日には、香港警察がデモ隊に実弾を発砲し、高校生が被弾するという大変痛ましい事態も起きた。長引く混乱による観光客の大幅な減少などによって、香港経済は大打撃を受けている。

 現在の事態は、もはや中国政府が大規模介入に踏み切らない限り、収束しない様相をみせている。しかし中国政府も、国際社会が状況を注視する中、天安門のような大規模軍事介入には簡単に踏み切れないだろう。仮に中国政府の大規模介入で一時的に抗議活動が収束しても、自由を求める若い世代が徹底抗戦の構えをみせているため、事態の完全な収束は見通し難い。

 そして事態は、台湾に飛び火する動きも見せている。9月最後の週末には、台北でも香港との連帯を示すデモが行われた。香港の姿を見て、台湾でも中国に統一されることへの警戒感が一気に高まっているようだ。中国の習近平国家主席が目指す「中華民族の偉大な復興」の先行きに、かつてないほど大きな暗雲が立ち込めている状況といえる。