野党の疑惑追求は支持得られず
立民・国民民主の合流は決裂

 これに対して野党は、「首相は説明責任を果たしていない」と厳しく批判し、徹底的に追及する構えをみせている。立憲民主党(立民)、国民民主党などは、「IR整備法の廃止法案」を共同提出した。しかし、相変わらず野党による疑惑追及は、世論の支持を得られていない。

 通常国会の開会前には、「野党共闘」を強固なものとするため、立民と国民民主の合流が協議された。しかし、最終的に両党は「当面、合流は見送り」という結論を出した。事実上の「決裂」であった。

 立民の枝野幸男代表は、「立民としてできることは全部やった。これ以上は動かす余地がないので協議のしようがない」と述べた。枝野代表は、立民による国民民主の「吸収合併」にこだわった。議員数が多く、政党支持率でも圧倒的に勝る立民が国民民主を吸収するのが当然と主張したのだ。

 一方、国民民主の玉木雄一郎代表は対等合併を前提にした条件を提示していた。具体的には、(1)党名は立憲民主以外で、民主党も選択肢、(2)原発ゼロ法案は撤回して再協議、(3)新党の綱領に「改革中道」との文言を入れる、というものだった。だが、立民側が飲める内容ではなかった。

 枝野代表が、「吸収合併」を強く主張したことは悪いことではない。政策が一致しない者同士が合併する「寄り合い所帯」をつくることには、国民の強い不信がある(本連載第196回)。野党が1つになるならば、野党の間の「トーナメント競争」を勝ち抜いた政党に、他の党が政策的に無条件で従う形にならなければ、コアな左派支持者以外の大多数の国民の納得は得られないからだ(第209回)。

 しかし、玉木代表が提示した条件にも、一定の合理性があると思う。どの条件も日本の「サイレントマジョリティー(声なき多数派)」である「都市部・中道層」の支持獲得を意識したものだからだ(第119回)。