――すでに対応できるインフラは整っているわけですね。でも、もしも今後、より大変な事態が起きた場合にはどうなるのでしょう。

 新型肺炎が、ある程度重症化する病気で患者さんも多く、日本の公衆衛生を考えたときに重大性が高いとなったら、専門家が厳しく議論した上で、感染症法の中で特定の感染症に指定して対応を決めることになります。

 その場合は、感染拡大を防ぐために、検査体制の強化に加え、感染の疑いが強い患者さんに対しては、感染症用の病棟への入院を非常に強く勧告できるようになり、外出や移動の制限など、一部人権を制限することにもなります。当然、そこに関わる公衆行政の方々、医療機関など、諸々の方々にも大変な労力を費やしていただかなくてはなりません。

――それは一大事ですね。私たち一般国民はどうしたらいいですか。

 注意するに越したことはありませんが、神経質になる必要もありません。普段の風邪と一緒で、軽症なら家で寝ている。どうしても調子が悪いときは病院へ、人に感染させないためにマスクする、などの対応で十分です。

 少なくとも、原因不明の症状の方々が日本国内で普段より多く発生しているという情報は我々のところへは入っていないので、武漢に関係があって呼吸器症状のある方と接したとか、実際に陽性の患者さんと接してしまったなどの事実がなければ、武漢に関連した新型コロナウイルスの感染である可能性は極めて低いといえます。

新たな感染症を生む原因?
中国における人間と動物との関係

――ところで、なぜこうも中国からばかり、新しい感染症が発生するのでしょう。

 おそらくですが、今でもヒトと動物が新たに出合う場が豊富だからではないかと思います。広大な自然があり、田舎ではいまだに、動物と人間の共生は当たり前。生きた動物を売り買いし、あらゆる動物を食べる文化があり、動物の病気がヒトに感染しやすい環境があるのです。こうしたところは、発生の原因として、見過ごせないのではないでしょうか。