男性依存で3年間に200人とデート、元「隠れビッチ」女性の心の穴
なぜあらいさんは男性とのデートに依存していたのでしょうか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

清純派に擬態しつつ、3年間で200人の男性とデートを続けていたという“隠れビッチ”、あらいぴろよさん。実話コミックエッセイ『“隠れビッチ”やってました。』は映画化され、一気に話題となった。男性に依存しきっていた――と語る彼女の半生から浮かび上がる女性の生きづらさ、働きづらさとは。(聞き手/フリーライター さとうあつこ)

 2019年12月公開の同名の映画(監督:三木康一郎/出演:佐久間由衣、森山未來ほか)でも知られるようになった、実話コミックエッセイ『“隠れビッチ”やってました。』(光文社)。作者のあらいぴろよさんが陥っていたのは、いわば「男性依存」とでもいうべき状態だ。

 主人公ぴろよは、体の関係は拒絶しつつ思わせぶりな言動で男性を翻弄する“クズ女”。ひたすらモテ続けることで、自らの承認欲求を満たそうとする。だが、人は彼女の本性を見抜けない。なぜなら、清楚で純粋な女の子に“擬態”しているからだ――。

 20~22歳までの3年間で約200人の男性とデートした、と明かすあらいさん。彼女が抱いていた心の闇と、実は誰もが陥っているかもしれないジェンダーの溝、依存状態のどん底から立ち直るまでの軌跡を聞いた。

清純派を擬態し、3年間で200人とデート

――コミックエッセイ『“隠れビッチ”やってました。』を拝見し、ぴろよの完璧な“擬態”ぶりに圧倒されてしまいました。黒髪のショートヘアで、メイクはシンプルに。露出はしないけれど、鎖骨は出し、透け感のある素材の服で「エロス漂う清純派」を演じる。さらに相手に合わせて、ピュア系、知性派、カジュアル系など巧みに自分を演出したり。女性なら多かれ少なかれ擬態してしまった経験はあるかと思うのですが、かなり徹底していますね。

“隠れビッチ”やってました。
あらいぴろよさんの実話コミックエッセイ『“隠れビッチ”やってました。』

 声色も変えていました。私、地声はすごく低いんですけど、デートしているときは高くてかわいらしい感じに。でも集中力の関係で2時間ぐらいしか持たないんです。だから、昼、午後、夜と時間帯を変えて1日の間に数人と会っていてましたね。場所がかぶらないよう、かつ回りやすいようにルートなんかも考えて。

――相手はどんな男性たちでしたか。

 スポーツジムとかイベント、フリーマーケットで会った人たちですね。あとは映画館とか。職場など自分の生活圏の男性には手を出しませんでした。ビッチの評判が立ってしまうからです。道端で声をかけたりもしませんでした。ナンパされれば男性もワンナイトラブを期待するし、危険ですから。
※ビッチ:尻軽、したたかな男好き

――「好きです」と告白されたらゲームオーバー。体の関係には決して発展しないようにしていたんですね。

 告白されると承認欲求が満たされて、とてつもない満足感や達成感が味わえるんです。でも、その気持ちを踏みにじる最低の自分を嫌悪してしまい、気持ちがどっと落ち込む。するとまた男性にちやほやされたくなってしまい、ハントに出かけてしまう……。負の無限ループでした。

――それを3年間で200回。声をかけられた、いや、かけさせた回数はおよそ600回とか。そういう病名はありませんが、いわば「男性依存」とでも言うべき状態ですね。