それでも、経沢はへこたれなかった。

 10年以降、経沢は社員一人ひとりと面談し、議論しながら、経営改革に取り組んだ。

“行き詰まり”に負けず取り組んだ経営改革
営業力も強化

わが社はこれで勝負!
ソーシャルメディアを活用した事業やマーケティング事業には「人材が何よりも大事」と考え、人材の採用には細心の注意を払う。現在は中途採用と新卒採用は半々。かつて採用した新卒者の中からは、既に幹部社員も育ちつつある

 まず、専用の営業部隊を組織し、営業力を強化した。また、組織の活性化のため、女性主体というこだわりを捨て男性社員の比率を従来の1割以下から3割以上に増やした。経営陣も経沢自ら“三顧の礼”を尽くし、有名企業での経験が豊かな男性役員らを招いた。

 同時に、新規事業を立ち上げた。11年に開始した、フェイスブックなどのソーシャルメディアで企業の商品やサービスを一般女性に紹介する口コミサービス「ウーメディア」は、主力サービスにまで成長。美容クリニック専門クーポンサイト「キレナビ」も評判になった。

 12年4月には豪華ホテルの無料宿泊などの非日常体験を抽選でプレゼントするサイト「アメイズ」を、7月にはスマートフォン向けのポイントがたまるゲームアプリ「キニナルモン」を立ち上げた。

 12年3月期の売上高は前期比64.2%増、経常利益は同63.7%増と大幅に伸びた。経常利益率も23.4%だ。

 「常に経常利益率が30%以上、よい人材が集まり、社会を進化させるサービスを提供する」という会社を志す。

 数年内には、念願の上場も目指す。経沢は理想に向かって着実に歩を進めている。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本猛嗣)


つねざわ・かほこ/1973年千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、リクルート入社。創業まもない楽天で楽天大学などの新規事業を立ち上げた。2000年4月にトレンダーズを設立。

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