社会に余裕がなくなると
バッシングは加速する

 不倫は、基本的には当事者間の問題であって、他人に迷惑がかかるような話ではない。当事者同士で解決すればいい話だし、外野がああだこうだと口を挟むような話ではない。だから、海外では第三者が狂ったようにバッシングをしない。

 しかし、幼い頃から「自分勝手な行為をしてはいけない」と叩き込まれてきた日本人には、そういう理屈が通用しない。

 私たちはこんなにも我慢をして生きているのに、本能の赴くままに不倫なんかする奴は許せない。絶対に許せない――。「個人の勝手な行動」への強烈な嫌悪感が、そのまま東出さんや唐田さんへの人格攻撃につながっているのだ。

 そんなのはお前の妄想だと言う人もいるだろう。ただ、日本社会は見渡していただければ、「個人の勝手な行動」への強烈な嫌悪感が引き起こした憎しみで溢れているのは一目瞭然だ。

 身勝手なあおり運転をした者は、“ネット探偵”が身元を特定して、顔も見たこともない人々から誹謗中傷の嵐にさらされる。国が渡航を控えるように呼びかけた地域に取材に出かけたジャーナリストが捕まると、「自業自得だ」「もう帰ってくるな」の大合唱となる。

 この国では、「個人の勝手な行動」は万死に値する重罪なのだ。そして、このような傾向は社会がギスギスして余裕がなくなると、さらに強くなる。わかりやすいのが、東出不倫と時を同じくして話題になった、タレント・キンタロー。さんの「ぶつかり男」被害だ。