中国・上海で有名な観光地の外灘(バンド)の様子。いつも大勢の観光客で賑わうが、人がほとんどいない。筆者の友人が撮影中国・上海で有名な観光地の外灘(バンド)の様子。いつも大勢の観光客で賑わうが、人がほとんどいない。筆者の友人が撮影

今回の新型肺炎は日本でも大きなニュースになっている。現地の中国では、当然ながら、それ以上の騒ぎであり、中国・上海出身である筆者(日本在住)のもとには、多くの友人、知人から相談や情報確認の連絡がひっきりなしに来ている。現地の中国の現状をお知らせする。(日中福祉プランニング代表 王 青)

巨大経済都市の上海でも
ゴーストタウン状態となった

上海のスターバックス。マスクなしでは入れないという告知と閉店のお知らせ。筆者の友人が撮影上海のスターバックス。マスクなしでは入れないという告知と閉店のお知らせ。筆者の友人が撮影

 中国の新型コロナウイルス肺炎は、中国国内にとどまらず、世界各地に広がった。感染者数がどんどん増えており、各国政府が警戒する事態となった。

 本来なら、1月24日は中国の旧正月(春節)の大みそかで、そこから7~10日間の大型連休が始まる。異郷で働く人や大学で勉強する学生らは、実家にいる家族の元に帰り、一家団らんの時を楽しみにしていた。ところが、新型コロナウイルス肺炎の蔓延で事態が一気に変わった。約4700万人が帰省できず、家族と離れ離れでの新年を余儀なくされたのだ。

 各地の地方都市政府もいろいろな対策を打ち出して、対応に追われていた。上海市は1月24日に、すべての公共施設を閉鎖すると発表した。

 上海博物館や科学技術館が閉館、ディズニーランドまでもが休業に追い込まれた。そして予定されていた多くの春節のニューイヤーコンサートも中止となった。移動手段はかなり本数を減らした地下鉄とバスしかない。なぜなら、タクシーはすべて運休となっているためだ。