感染拡大が止まらない新型コロナウイルスによる肺炎。日本は、そして私たち国民は、どのように対応したらいいのか。国立国際医療研究センター病院総合感染科科長、国際感染症センターセンター長の大曲貴夫氏に聞いた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)※特に注記がない場合、1月24日取材時点での情報をベースに記事を作成しています。
どんな病気なのか
判断するのはまだ尚早
――中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しています。日本国内でも4例目(※26日現在)の感染が確認されました。どういう病気なのでしょうか?
原因はコロナウイルスというウイルスです。コロナウイルスは通常の感冒(風邪)を起こすウイルス4種類と、以前流行ったSARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)の2種類が知られています。
今回のウイルスは、これまでに報告されていない別のタイプのウイルスです。よって、これによる感染症は新型コロナウイルス感染症といわれています。今のところ、比較的短期間で多くの患者さんが見つかっていることから、今後も感染は拡大し、なおかつ普通のインフルエンザや風邪よりは重症化しやすいのではないかとみられています。しかし、判断するには症例がまだ十分ではないので、正確なところはわかりません。