男性社会ならではのモロッコでの驚き

石谷 ちなみに、ちきりんさんは、次に行くとしたら、どの国に行きたいといったことはありますか?

ちきりん
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働く。その後、米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。マネージャー職を務めたのちに早期リタイヤし、現在は「働かない生活」を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50ヵ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログ「Chikirinの日記」を開始。政治・経済からマネー・問題解決・世代論まで、幅広いテーマを独自の切り口で語り人気を博す。現在、月間150万以上のページビュー、日に2万以上のユニークユーザーを持つ、日本でもっとも多くの支持を得る個人ブロガーの1人。著書に『ゆるく考えよう』(イースト・プレス)、『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』(大和書房)がある。

ちきりん 漠然としていますが、中東は行ってみたいですね。

石谷 なぜ、中東に? 中東ならば、ぜひ行ってレポートしていただきたいんですが。

ちきりん 理由は、ものすごく特殊なエリアだからかな。中東って、女性が行きづらい国が多いじゃないですか。イランなんか女性は暑いなかでも全員真っ黒なチャドルを被って外出してるし。

石谷 その光景を、ちきりんさんがどう見て、どうレポートしていただけるかに、とても興味があります。

ちきりん 中東というか近隣のイスラム圏には行ったことがあるんですけどね。

石谷 どちらへ行かれたんですか?

ちきりん ドバイは外国人と現地の人をきちんと分けているので、外国人側にいるかぎり安心できますが、モロッコの旧市街あたりになると、女性一人で道に迷うにはちょっとアブナイ。レストランに入ってトイレに行っても、男性用しかないんですよ(笑)。正確にいうと、床に穴の空いた個室が1つあるだけなんですが、基本として、「女性が外出するもんじゃない」という考え方がありますよね。

石谷 中東ではいまも、「女性は勝手にウロウロするな」くらいの感じで考えている。

ちきりん 気軽に喫茶店、お茶屋さんに入ったら、入った瞬間に全員の視線をギロッっと浴びて驚きました(笑)。お客は男性ばかりで、「女は入っちゃダメなの?」って聞きたくなる感じです。それでもかまわず入って休みますが、トイレの見つけにくさは女性にとって笑いごとじゃありません。ホント、イスラム圏は男性社会なので、だからこそ一度いろいろと見て、考えてみたいですね。

石谷 よろしくお願いします。なんといっても、文化の違いに驚きがありますね。