働き方改革で中間管理職が「しわ寄せ残業」に苦しむ根本的理由
部下を帰らせるために管理職が残業……というのなら本末転倒です Photo:PIXTA

4月から中小企業も規制対象に
働き方改革をどう進めるべきか

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表
小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 働き方改革関連法の施行により、今年4月から中小企業にも時間外労働の上限規制が導入されます。残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間と定められており、臨時的な特別の事情がなければ、この上限を超えることはできません。

 法律が施行される前からすでに働き方改革に積極的に取り組んでいる企業も多いですが、その一方で経営者が「残業時間の削減」に力を入れれば入れるほど、中間管理職の業務量が増えるという実態も指摘されています。

 しかし、部下をこれまでより1時間早く帰らせなければならないために、中間管理職の仕事が1時間分増えている……というのなら、それは本末転倒です。経営者の働き方改革に対する意識が低いと言わざるを得ません。

 そもそも、働き方改革は本来、「生産性の向上」とセットでなければ成り立ちません。しかし、人手不足もあり、いつの間にか時短やテレワークなどの「働きやすさ」ばかりが前面に押し出されるようになってしまいました。これは大間違いです。

 アウトプット(生産量)の計算式を

アウトプット=1人当たりの労働時間×1時間当たり生産性(1人当たり)×人数

 で表すと、単純に1人当たりの労働時間を減らしただけではアウトプットが減ることは明らかです。アウトプットが減るということは業績が落ちるということですから、それを防ぐために中間管理職への“しわ寄せ”が起こっているわけです。