5G時代に自動車関連企業が発揮する「意外な存在感」ドイツのボッシュが発表した液晶パネル式のサンバイザー Photo:Mario Tama/gettyimages

今年のCES
5Gの利用を前提とした出展が目立つ

 今年のCESは主要国で5G(第5世代移動通信システム)サービスが開始される直前とあって、大容量高速通信が可能な5Gの利用を前提とした出展が目立った。すでに紹介したソニーとトヨタ以外で、重要な話題をまとめておこう。

 ホンダはモーターサイクルと自動車を中心としたモビリティサービスの電動化や高度なコネクテッド(ネットワーク接続)化、人間の行動を補佐するパワードスーツなどを軸に展示を行った。トヨタのコネクテッド・シティ同様に5Gを使う大量高速通信技術の利用が前提である。

 自動車部品関係ではドイツのボッシュが発表した液晶パネル式のサンバイザーが目新しい。室内カメラでドライバーの顔を撮影し、どの方向からの太陽光がドライバーの視界に直接入り込んでいるかをAI(人工知能)が画像解析し、直接目に入る太陽光だけを液晶パネルで対策するという機能だ。普段は素通しになっている液晶パネルは六角形の液晶セグメントで構成され、ドライバーの目に向かう太陽光は液晶セグメントの視光線透過率を低減させ、サングラスの役目を果たすようになる。

 この技術は自動運転とは方向が逆だ。自動運転になれば「ドライバーは前を向いている必要もない」が、ボッシュは視界確保に最新の画像認識AI技術を投入した。この技術は自動調光式のグラスルーフやドアガラスなどにも応用できるため、大きな需要が見込める。