やたら強引な上司や先輩が多く、うっかり意見を言うと「屁理屈を言うんじゃない!」と一蹴される。営業成績が伸びないので先輩に相談しても、いつもアドバイスは「気合を入れろ!」。学生時代は先生が何でも話を聞いてくれ、やさしく過保護に育った最近の新入社員の中には、このような体育会系組織の雰囲気に戸惑う人も多い。だが、こうした組織は意外に多いのが現実だ。そこで体育会系組織の特徴を踏まえた適切な対処法について考えてみたい。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)
上に絶対服従の
体育会系組織
入社してそろそろ1年になるAさんは、いまだに職場の雰囲気になじめないという。その理由を尋ねると、上司や先輩に対する日頃の思いを語り始めた。
「ひと言で言えば、ウチの会社は体育会系なんです。実際に学生時代に体育会系で活動していたかどうかわかりませんが、上には絶対服従、意見も言えない感じがあって、上司も先輩もやたらと強引なんです」
どのように強引なのかを尋ねると、Aさんはいくつか例をあげた。たとえば、次のようなことがよくあるそうだ。