中国で発生したコロナウイルスの感染拡大は、パンデミック(世界的大流行)になりかねないとの懸念が広がっている。一方、中国の外交当局者は、中国の対応が不十分であることを示唆する措置を外国が導入するのを防ごうと躍起だ。
中国では新型肺炎による死者がこれまでに1380人余りに達した。習近平国家主席は「人民の戦争」に政府が全力を注いでいると言明し、各国の懸念払しょくに努めている。中国外相もここ1週間、電話会議に奔走し、20カ国以上の政府高官に冷静な対応を求めるメッセージを伝えている。
各国に駐在する中国外交官はこの危機で「友情が試される」との見解を示し、中国への渡航禁止や自国民の帰国といった措置を控えるよう、外国政府に求めている。中国政府はこうした措置は不要で、不安をかき立てる非友好的な政策だと主張している。
中国外務省の華春瑩報道局長はこのところ、「逆境の中でこそ真の友情が明らかになる」と繰り返し発言している。