中国武漢の新型コロナウイルス対応の病院
武漢の病院では、新型コロナウイルスの患者を隔離して対応にあたっている Photo:Barcroft Media/gettyimages

新型肺炎が急拡大し続けている。死者数を患者数で割った値が低いことから「致死率が低い」と言っている人がいるが、そもそも計算方法に問題がある可能性も考えられる。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

患者数の割に死者も治癒者も少ない現実

 中国の医療情報サイト「丁香医生」が運営する新型肺炎の特設ページによると、中国全体の新型肺炎の患者数は増加し続けていて、2月13日時点で5万2575人と発表されている。また、死者数は1366人と発表されているため、「死亡率は2%であり、それほど高くない」といった捉え方をしている発言が散見される。しかし、本当にそう言い切れるだろうか?

 同じく2月13日時点の情報によると、治癒した人の数は5900人と患者数に比べて少ないことに注意が必要である。

 筆者は新型肺炎をはじめとする医療情報には詳しくないので、以下は純粋に統計の見方という観点から論じてみたい。

計算方法を変えるだけで
死亡率はそれほど低くない結果に

 1つの計算方法は、死者と治癒者の比率を考えることである。死者と治癒者の合計7266人の患者だけを見ると、死亡率は決して低くない。ということは、いまだに感染した状態から治癒に至っていない約5万人の患者についても、致死率がそれほど低くない可能性も否定できない。

 もう1つの計算方法は、死者数を数日前の患者数で割ることである。発病して数日後に死亡するとすれば、急増した後の本日現在の患者数ではなく、数日前の患者数と現在の死者数を比較すべきだからである。その場合も致死率は高くなるであろう。