これには、ラグビーW杯のときにも少し話題になった『イベント中止保険』が関係しているのではないか。2019年度の東京マラソン財団の収支を確認すると、支出のところに『保険料』として、1481万8360円の支出がある。

 参加者たちの不慮の事故に備える傷害保険だけでなく、『イベント中止保険』に加入するのは主催者として当然のリスク管理だ。この保険でカバーされるのが上記規約に挙げられた事由であり、返金されないのは保険が降りないケースなのではないか。そのため、一般的な感覚からすれば返金されなくても仕方がないと感じる場合に返金され、そうでない中止のときに返金されない“逆転現象”が起こると推測される。

東京マラソンは赤字運営!?
保険が下りなければ返金の余力なし

 さらに調べてみると、東京マラソン財団のホームページに「東京マラソンの参加料の仕組みについて」と題して、次の記述があった。

『一日にわたり東京の中心部において長時間にわたり主要道路を止め、ランニングイベントを実施するためには、競技運営だけでなく、交通規制計画や警備安全対策、医療救護体制の構築、コース沿道対策などの事前準備に膨大な時間と労力を要します。

 東京マラソンの開催にあたっては、その運営に約19.7億円の経費(EXPOや関連イベントにかかる経費は除く)(2018大会実績)を要します。これは、参加ランナー一人当たりに換算すると約54,800円(2018大会定員)の費用となり、この費用のうち多くの部分は準備段階で必要となるものです。経費の内訳は以下のとおりとなり、これらの経費については、開催に向けた1年間の準備にかかるものも含め、多くの部分が大会開催直前の段階で、履行や制作済である、もしくは発注や手配済みのものです。

 このため多くのマラソン大会では参加規約の中に、大会中止の場合にも参加料を返金しない旨を明記し、ランナーの皆さんに同意をいただいており、東京マラソンにおいても、原則として参加料は返金しないこととしております。

 なお、東京マラソン2020からは、参加料返金保険に加入し、一定の要件に合致する場合には、参加料を返金できるよう対応しております。』