米金融大手モルガン・スタンレーは20日、ネット証券大手Eトレード・ファイナンシャルを買収すると発表した。買収額は130億ドル(約1兆4300億円)。買収は全額株式交換方式で行う。米金融大手による買収としては、2008年の金融危機以降で最大となる。モルガン・スタンレーはEトレードが持つ500万人の個人顧客や3600億ドルの預かり資産などを融資拡大に生かすことができる。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)によると、Eトレードのマイケル・ピッツィCEOは買収後もネット証券事業を担当し、Eトレードのブランドや個人顧客向け店舗などは維持する。Eトレードと競合する米ネット証券大手2社のチャールズ・シュワブとTDアメリトレード・ホールディングは昨年11月に統合を発表し、Eトレードの先行きに不透明感が増していた。その直前にはシュワブが手数料の無料化を発表し、Eトレードの株価は急落。単独での生き残りにも疑問符が付いていた。