「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言われた時代があったとか、なかったとか。どちらにしても、その人の習慣や癖、性格は顔に影響を及ぼすものだ。自分の顔を好きな人もそうでもない人も、自分の顔グセに気づいたことはないだろうか。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
顔にいつの間にか入っている力
長年続けるとどうなるか
かっこよく年を重ねていきたいものである。かっこよく生きてきていて、その生きざまと哲学が所作やただずまいに如実に表れているような年寄りになりたいと、若いころから漠然と憧れを抱いていた。映画俳優やドキュメンタリーに出演する高齢のプロフェッショナルを見るなどするとこの気持ちは顕著に高まる。同様の思いを抱かれたことのある諸氏も多かろう。
全身から自然と発せられる、人をひきつけるオーラ――フェロモンとでもいうべきこの魅力はおそらく、先に挙げた所作やただずまいに加えて声や服装などの諸要素があいまって決定されるが、やはりなんといっても顔と表情が占める割合は大きい。「人の印象は50%が顔で決まる」「90%が顔で――」など、パーセンテージの幅には諸説あるが、世間でも顔が重要視されているのは間違いないようである。
この“顔”というのは必ずしも「整っている」ことを要求するわけではない。整っていなくても「味がある」顔や、「表情がいい」顔には人をひきつける魅力が備わる。では魅力ある顔を獲得するにはどのように生きていけばいいのか。