「自分の手が少し空くとデスクの隣に来て話しかけてくる同僚に困っている。それも、仕事の悩み相談ではなく、『今日は取引先でこんなことがあって、こう返したんだよね』という自慢話。こちらの作業は止まるし、ただの自慢を聞かされても楽しくない」(40代男性・コンサル)

「私は経理で、同期の営業職の男性はよく経理部に立ち寄って話していく。それはいいのだが、彼は完全に『営業が上』という見方で『ずっと経理でいいの?』と聞いてくる。私はこの仕事に満足しているし、営業の方が偉いとも思わない。自分の価値観を押し付けるのはやめてほしい」(40代女性・メーカー)

モラハラは昔からあったはず
今こそきちんと考えるべきだ

 セクハラやパワハラに比べると、モラハラの定義はイメージしにくい人が多いだろう。実際、エピソードを見ると種類はさまざまで、モラハラ的な言動をカテゴライズするのは難しい。

 ただ、共通して言えるのは、相手の心情を考えず、こちらの価値観を一方的に押し付けたり、周りに言って良いことと悪いことの区別がつかず、不用意に個人情報を拡散したり。デリカシーの問題だと言える。

 中には「モラハラなんて言葉、昔はなかった。生きにくい時代になった」と言う人がいるかもしれない。他のハラスメントについても、同じ意見を聞くことがある。

 しかし、その解釈は正しくないだろう。モラハラは昔からあったはずだ。そしてそれを嫌がる人も、今と同じようにたくさんいたはずだ。ただ、モラハラという定義付けがなかっただけで、被害者と加害者は昔からいただろう。言葉になったことで、ようやくその問題にスポットが当たったのだ。

 心当たりのある人もない人も、自分がモラハラをしていないか意識しながら、仕事上のコミュニケーションを見直してみよう。