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人に好かれるにはどうすればいいのか。鍵になるのは「同期化」だ。特別なスキルは不要で、意識するだけで相手からの好意や信頼を引き出せる。実際、赤ちゃんに試してみると、みるみるうちに抱っこをおねだりされるのだ。心理学が実証する「同期化」の力に迫る。※本稿は、ブリストル大学心理科学部発達心理学教授のブルース・フッド著、櫻井祐子訳『LIFE UNIVERSITY もし大学教授がよい人生を教えたら』(サンマーク出版)の一部を抜粋・編集したものです。
ぼっち飯よりみんなで食べる
ご飯のほうがおいしい
人と経験を共有すると、楽しみが何倍にもなる。
音楽であれ、スポーツや遊びであれ、何かを誰かと一緒にやると、1人でやるよりもずっと楽しい。
ある研究で、参加者にチョコレートの味を評価してもらったところ、周りの人と一緒にチョコレートを食べたほうが、周りの人が雑誌を読むなど別の活動をしていた場合に比べて、よりおいしく感じられた(注1)。
共同活動は、とくに「同期運動」――ダンスなどのように動きを合わせること――を伴うと、さらに楽しみが増し、やりがいも高まる。不快な経験でさえ、人と一緒にやると耐えやすくなる。
ボート選手は、同期トレーニングをする時のほうが、1人でトレーニングする時よりも強い痛みに耐えられることがわかっている(注2)。
有意義な社会的交流を図るためには、他者の言動に注意を払い、適切なタイミングで反応する必要がある。デートであれ、普通の会話であれ、相手と動きを合わせなくてはならない。動きが合わないと、なんだかしっくりこない。
(注1)Boothby, E. J., Clark, M. S. and Bargh, J. A. (2014), ‘Shared experiences are amplified’, Psychological Science, 25(12), pp. 2209-16.
(注2)Sullivan, P. and Rickers, K. (2012), ‘The effect of behavioral synchrony in groups of teammates and strangers’, International Journal of Sport Exercise and Psychology, 11(3), pp. 286-91.







