新型コロナウイルスが堅調な米国雇用環境に「変調」をもたらすとき
好調な米国の雇用環境に、新型コロナ禍は「変調」をもたらすのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

先日発表された2020年2月の米国雇用統計は、引き続き雇用・所得環境が堅調に改善していることが示された。さらに、企業の景況感も総じて改善傾向にあるなど、米国経済の底堅さがうかがえる状況である。しかし、足元で流行が拡大している新型コロナウイルスによって、米国雇用・経済の先行き不透明感が急速に高まっている。様々な下振れ経路が想定されるが、雇用環境に限っては消費者や企業の活動自粛に伴い、多くの雇用を抱え、賃金上昇率が相対的に高い業種が影響を受け、雇用全般が悪化するリスクがある。今後も新型コロナウイルスの感染状況、それに伴う経済活動への影響を注視すべきである。(伊藤忠総研 主任研究員 笠原滝平)

雇用環境は好調継続
賃金上昇率も底堅い

 2020年2月の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から27.3万人増加した。また、1月の雇用者数の伸びも22.5万人から27.3万人に上方改定され、2カ月連続で2019年の月当たり平均増加幅(18万人程度)を大きく上回る堅調な推移となった。

 業種別に見ると、堅調な住宅建設を映じ、建設業は前月差+4.2万人の高い伸びが継続した。サービス業も医療やレジャーを中心に同+16.7万人と比較的高い伸びが継続。過去2カ月減少が続いていた製造業も、自動車関連での増加によって3カ月ぶりの増加に転じ、雇用者数は幅広い分野で拡大した。