新型肺炎への市場の反応
2月半ばからは限定的
市場の焦点の1つである新型肺炎の感染拡大問題は、中国の春節休場明け後の2月4日に上海総合株価が急落する一方で円が上昇するなど、リスクオフのイベントとなった。
もっともその後は、感染者数の増加ペースの鈍化や中国人民銀による大量の流動性供給などが安心材料となり、アジア市場を中心に株価がV字型の回復となった。2月13日に中国湖北省が新たな基準で感染者数をカウントしたところ、感染者数の前日比での増加ペースが再び急加速したが、市場の反応は限定的となっている。
新型肺炎の感染は拡大も
拡大ペースは鈍化
WHOによれば、新型肺炎の感染者数は、感染発覚からわずか2カ月余りとなる2月13日時点で4万6997人、感染による死者数は1369人と、2002年11月~03年7月の約8カ月間に感染拡大が続いたSARS(感染者数8096人、死者数774人)を大きく上回った。感染者数は2月に入り、毎日1000人以上のペースで増加し、前日と比べた死者数の増加幅は日々拡大している。
WHO報告には含まれていないが、中国湖北省は従来の「成分分析」に加えて、「臨床診断」による感染特定(新基準)も実施している。同省の新基準による調査では、感染者数は2月12日に前日と比べ1万4840人増え、13日には4823人増えた。感染拡大が当初の想定以上である可能性も高まっている。