3月14日のJR各社のダイヤ改正に合わせて、いくつかの新駅が誕生する。これらJRの新駅に加え、今年全国で開業になる、そのほかの鉄道会社の主な新駅についてもチェックしてみよう。(鉄道アナリスト 西上いつき)
駅は街の顔となり
その街のイメージをつくる
鉄道依存度が高い日本においては、毎日のように多くの人々が家から駅、駅から目的地へと乗降を繰り返している。駅がその街に及ぼす影響は計り知れず、単なる交通手段としてだけではなく、その街の中心となり価値を生み出すものとなる。
例えば、経済誌や大手不動産会社では「住みたい駅ランキング」なるものが発表されて毎度話題を呼んでいるが、世間もそれに日和見し、地価もその駅を中心に徐々に上がっていく、なんてこともある。
今年開業する新駅の存在は、いかにその街に影響を与えるだろうか?今回は14日に控えるJR各社のダイヤ改正に合わせて開業する新駅を含めた、今年に開業予定の主な駅を一挙紹介する。
(1) 高輪ゲートウェイ駅(東京都港区・JR山手線 14日開業予定)
14日のダイヤ改正に合わせてデビューするのが、この「高輪ゲートウェイ」駅だ。1971年に西日暮里駅が開業して以来、山手線ではおよそ50年ぶりの新駅の誕生となる。こんな歴史的瞬間が間もなく訪れようとしているのだから、鉄道ファンのみならず、多くの人々が今か今かとその時を待っているに違いない。
なお、今回はあくまで「暫定開業」となり、全てが完成する本開業は2024年度ともうしばらく先になりそうだ。
ご存じの方も多いと思うが、公募の駅名決定について批判が相次いだのも記憶に新しい。「カタカナがダサくて必要ない」「公募1位の“高輪”のみにすべきだ」などの反対意見もあったが、物議をかもしたおかげか、皮肉にも開業前から有名になった駅名ともいえる。この駅名は、もともとJR東日本が進める品川開発エリアを「グローバルゲートウェイ品川」と銘打っていることもあり、その中心地となる新駅にもゲートウェイを冠することになったのだ。
同駅が立地する港南・芝浦エリアは、多くのマンション・商業地が建設されるなど急成長している。六本木・麻布などの古い街に比べると、港区随一の「発展途上」エリアともいえる。ここにできる新駅の役割には大きく期待したい。