西上いつき
日本の鉄道における自動運転は、半世紀近く前には実現しました。しかし、新交通システムなどでの自動運転の導入はあるとはいえ、全国の都市鉄道や地方鉄道などで広く活用されているわけではありません。自動運転の導入は、それほどむずかしいことなのでしょうか。注目されているのがGoA2.5という考え方です。

「出発進行!」というかけ声とともに、白い手袋をした手をピンとのばす運転士の姿は、見ていてカッコいいものです。これはパフォーマンスではなく、事故やエラーの発生を未然に防ぐために、対象物の方向を指差してその名称や状態を発声して確認する安全確認動作です。では実際には指差喚呼で何を確認しているのでしょうか。

今でこそ女性の運転士や車掌も多く見かけるようになりましたが、これまでの長い期間、鉄道運転の現場は男性ばかりでした。1987(昭和62)年のJR発足当時の女性社員の割合はわずか0.8パーセントに過ぎず、しかもその大半が東京鉄道病院(現JR東京総合病院)の看護師です。ちなみに私が所属していた名古屋鉄道では2021(令和3)年現在の女性比率は全社で14.3パーセント、しかも運転などを行う鉄道事業現場においてはわずか2.7パーセントと、近年その数は増えたとはいえ、いまだ過半数以上は男性が占める職場なのです。

新型コロナウイルスの影響で鉄道各社が厳しい経営を迫られている。こうした中、需給によって価格を変動させる時間帯別運賃、いわゆる「ダイナミックプライシング」を検討する動きが、鉄道業界で高まりつつある。

JR西日本が2005年に起こし、107人もの犠牲者を出した福知山線脱線事故から15年がたつ。事故の原因を改めて振り返りつつ、この15年間で進歩したことと、まだ対策が不十分なことを整理してみたい。

3月14日のJR各社のダイヤ改正に合わせて、いくつかの新駅が誕生する。これらJRの新駅に加え、今年全国で開業になる、そのほかの鉄道会社の主な新駅についてもチェックしてみよう。

30年以上にわたって東大合格者数全国1位を誇る東京・開成学園。中学・高校の6年制(一部編入を除く)を敷く同校の中でも、50人以上が所属し、ひときわ大所帯となるのが鉄道研究部だ。歴史も大変長く、2019年で設立60周年を迎えている。「なぜ電車好きが賢いのか?」をテーマに、鉄道と勉強の因果関係を彼らのバックグラウンドからひもといてみた。

東京オリンピック・パラリンピックまで1年を切り、鉄道駅のバリアフリー化も加速している。東京都心ではホームドアが設置されている駅を見かける機会も多くなった。首都圏の鉄道事業者で、特にハイペースで設置を進めているのが東京メトロと東急電鉄だ。

エアラインやホテルではすっかり当たり前になりつつある「ダイナミックプライシング」。法規制の問題などがあり、鉄道ではまだ導入されていないが、その可能性を探る動きは、既に始まっている。

「台風一過で晴れているのに、電車が動かない」とか、「運転再開されたのに電車がこない」と文句が出ることの多い台風通過後の鉄道。しかし、乗客の目に見えないところで、鉄道マンたちは火事場と言っていいほどの仕事量を必死にこなしている。台風時の運休、そして再開の望ましいあり方について考えてみたい。

「電車なのに自転車操業…」。キャッチーなコピーや、名物「ぬれ煎餅」、あるいは「経営状況がまずい」ということにかけてネーミングされて昨年の発売以降大ヒットの「まずい棒」。このようにアイデア商品や話題性によって何かと有名な銚子電鉄は、今や鉄道ファンのみならず多くの人々に知られている。鉄道会社とは思えないような型破りの経営手法を、いま改めてひもといていきたい。
