建設中の新駅Photo:PIXTA

 2019年の鉄道業界は三つの「レス」がキーワードになる。

 一つ目は「シームレス」だ。

 暮れも迫った18年12月4日、東日本旅客鉄道(JR東日本)は田町駅~品川駅間に建設中の新駅の名称を「高輪ゲートウェイ」にすると発表した。ところが否定的な意見が続出し、撤回を求める署名運動まで起きる事態になっている。

 駅名の悪評が先行してしまったが、この新駅を含む大規模再開発事業「グローバルゲートウェイ品川」が「シームレスな街づくり」を目指す国内都市計画上の重要案件で、JR東日本が約5000億円を投じる社運を懸けたプロジェクトであることは間違いない。

「世界から企業と人を呼び込むアジア屈指の交通集積地」を狙い、東京ドーム3個分もの敷地にホテルや国際会議棟、海外企業を誘致するオフィスビルや、外国人向けの住居・商業棟など複数の大型施設を建設。空港直通線が通る泉岳寺駅や、27年にリニア中央新幹線が開通する品川駅と専用通路でつなぐことで、国内外の人が行き交う一大エリアが誕生する。

 駅が基盤の再開発は手掛けてきたJR東日本だが、ゼロからこれほど大きな街をつくるのは初めて。深澤祐二社長が「街に開かれた駅にしたい」と語るように、駅と街が一体化するシームレスな空間を目指して19年に着工する。