「高輪ゲートウェイ」に違和感、駅のキラキラネーム化が起きる理由JR山手線に49年ぶりに誕生する30番目の新駅の名前が「高輪ゲートウェイ駅」に決定した。みんなが違和感を覚える「駅のキラキラネーム化」はなぜ起きるのか(写真はイメージです)  Photo:PIXTA

「高輪ゲートウェイ」って……
違和感を覚える山手線の新駅名

「それだったら高輪口駅でいいんじゃね?」

 ……みたいな会話でみんな、盛り上がったのではないでしょうか。JR山手線に49年ぶりに誕生する30番目の新駅の名前が「高輪ゲートウェイ駅」に決定しました。

 メディアには賛否両論の文字が踊りましたが、実際の世論では否定的な意見の方が多いというのが事実でしょう。みんな反対なんだけど、当事者はそう決めちゃったみたいな話に、これからなっていきそうです。

 先に指摘をしておきますが、この新駅は駅名としてはイマイチですが、経営理論的に見れば儲かりそうです。我が国は資本主義社会ですし、営利企業が駅名を決める権利を持っているという視点から見れば、利益優先の駅の「キラキラネーム化」は仕方がないと考えるべきでしょうか。

 今回の駅名の公募では、「高輪」「芝浦」「芝浜」が上位を占めていたといいます。「それなら高輪でよかったんじゃないの」という意見もありますが、新駅の場所は伝統ある高輪エリアからは少し離れた場所にあります。

 しかし幸いなことに、歴史的事実として、新駅の近くにはかつて江戸の入り口となる高輪大木戸がありました。そこでJR東日本は、「この地域は古来、街道が通じて江戸の玄関口として賑わいを見せた地である」という意味をこめて、玄関口を意味する英語から「高輪ゲートウェイ」と新駅を命名したわけです。

 そう説明されるとコンセプトは繋がるものの、このキラキラネームには異論が続出しています。そもそも公募案の順位では130位のこの駅名をなぜ選ぶのか、それならば公募する意味はないのではないか、という意見があります。

 一方で、「高輪ゲートウェイ」という奇抜な名称に36通も公募があったというのも驚きです。「1通はコピーライターで、残りの35通は広告代理店の社員らしい」という都市伝説すら流布されています。実際は公募はあったのだと思いますが、駅名の決定については間違いなくコンセプト主導でしょう。